高知でふるさとインターン

2010年は高知でふるさとインターン

賑わう仁淀川流域をもう一度。「仁淀川ジオミュージアム構想」計画づくり

■日時:9月10日(金)~23日(木・祝)
■場所:吾川郡仁淀川町

9月10日土曜日。この日は仁淀川町ふるさとインターンシップの開始の日。県内からは高知大学の学生4名、そして県外からは山口県の下関市立大学から1名の学生が参加。参加学生の専攻は経済学に理学部と多様な学部構成での実施となった。
ただ、唯一の懸念事項は、全員が「男」だということ。不安と期待と男臭さを胸に秘め、仁淀川町ふるさとインターンシップはスタートしたのだった。

まずは、町内の公民館でオリエンテーションと開会式。開会式には、大石町長と企画課の片岡さんにも出席いただき、仁淀川町の概要について説明を受けた。仁淀川町では、町からも助成金をいただき、活動を経済的にも支援していただいた。


2週間のインターンシップが静かに始まった。

初日から早速フィールドに繰り出す。
まずは中津渓谷へ。壮大な渓谷を佐川町地質館 橋掛館長のガイド付きで散策。中津渓谷は山がすっぱりと割れたような絶壁と、この地域特有の緑色・赤色の地層がむき出しとなった場所。四国の成り立ちにも関わる地球の壮大な歴史が刻まれている。そして、そのような特有の場所だからこそ繁茂する植物や群れる昆虫達。大地から派生している壮大なストーリーが織り重なって形成されているこの場所に学生一同圧倒されっぱなしであった。


中津渓谷特有の真っ赤な赤色チャート。造山活動によって古い地層が新しい地層の上にあるという構造によってオーバーハングした大地の遺産を生み出した。


雨竜の滝に見られる「2時(虹)の奇跡」。晴れの日、午後2時前後にのみ滝の中腹に虹がかかる。大自然の造形美にロマンを感じざるを得ない。

2日目・3日目はジオミュージアム講座。プラン提案をするための基礎知識をオープンカレッジ形式で実施した。といっても、座学ばかりでは面白くはない。壮大な自然がある地域だからこそ、自然に触れながら学ぶことができる。


植生に詳しい寺峯先生を迎え、安居渓谷を学び舎に学習を開始。


先生の持ってきてくださった透明度を測定する装置で安居川の透明度を「見える化」する。「なんとなく綺麗」を見える化することで知的好奇心が刺激され、驚きや学びが2倍3倍になる。


会場である公民館の眼下を流れる仁淀川本流と土居川の合流地点の水質調査。学習材料はもちろん自らの手で採集する。


採集後は石川先生の解説・分析。2つの川の合流点、たった100m離れた場所で採集した水生昆虫なのに、その数も種類も異なる。「よく観察するとまったく違う」そんな繊細な違いを知ることができるのも仁淀川流域の魅力だ。

仁淀川町の魅力はその壮大な自然だけではない。縄文遺跡から安徳天皇伝説や武田信玄の4男武田勝頼伝説が残るこの地域は歴史・文化も類まれなものを数多く保有している。


岡林先生を迎え、武田勝頼伝説の地を巡る。大崎地区・寺村地区という2つの地域を歩くだけでも武田勝頼は土佐に逃れてきたと信じざるを得ない墓石や伝説の数々に出会うことができた。


土佐三大神楽の一つである「池川神楽」の練習にお邪魔した。お話や神楽の練習風景を見せてもらうだけでなく、実際に神楽体験をさせてもらう。地域の伝統芸能を保存・継承しようとする、この日常風景だけでも十分な観光資源である。


天然物かはたまた人工物か!?なぞの首切り石と岩の割れ目の珍百景。男性のシンボルと女性のシンボルを連想させるこのような陰陽石がなぜか山の中にあるのはなんとも不思議な光景。


日本最大級といわれるニホンオオカミの頭蓋骨が仁淀川町にはある。このような完全な形で保存されているオオカミの頭蓋骨は珍しいとのこと。仁淀川町の自然と生態系が昔か豊かであったことが連想される。


長者地区の棚田。このような綺麗な棚田は県内でもめったに見られない。また、この棚田の奥には日本最大級の地すべり地帯が。人工的な造形美と自然の驚異が一体となっている魅力あふれる風景がここにある。


森山なんでもくらぶのおばちゃん達との交流。元気ハツラツのおばちゃん達の手料理と団欒の時間を楽しんだ。このような地域の人との触れ合いも大きな観光資源となると感じた。

そして、5日間見てきた地域資源をまとめるプランニングに突入。自分達が見た地域資源の素直な感想や良かった所と地域資源課題をワークショップでまとめました。また、学生ならではのツアープランも立てました。


ジオミュージアム講座の講師であった戸梶先生にもご協力いただき、作業を進めた。

そして、現地発表会。
緊張の中、計46名の方が学生の発表を聞くために集まってくださいました。学生の発表は1時間半に及び、2週間の集大成を惜しみなく出すことができました。


大勢の観覧者を前にプレゼンをする学生達。大学では味わえない貴重な経験ができました。

こうして、2週間に及ぶ仁淀川町ふるさとインターンシップは幕を閉じました。
学生が地域に入ることで、張り切ってお話を聞かせてくださった仁淀川町内の地域の皆さん、2週間という長い間、学生を受け入れ・世話をしてくださったによど自然素材等活用研究会の皆さん、地域企画支援員さん、本当にありがとうございました。

でも、このインターンシップは地域観光事業の立ち上げの一歩。
これからさらにこの2週間の情報を元に情報収集・ツアープランの磨き上げ・思考実施などのステップが待っています。
まだまだ続く地域づくり活動にもふるさとインターンシップを通して継続的に関わっていくことができればと思います。

■学生からのコメント

A君
普段いけない場所や地元の人にしかわからない場所を多く巡れたこと、また普段では関わりがもてない役所の方や地域の人など、多くの外の人たちと関わりを持てたことがよかったと感じます。こうした2週間の出会いが新しい発見と、楽しさ、感動を与えてくれたのだと実感してます。

I君
多くの人と接し、話を聞き、多くの物を見たことで、新たに知識を得ることができ、今まで興味、関心が無かったことや、全く知らなかったことを面白いと感じられるようになったことが良かった。いなかは最高でした。自然は多いし、人は暖かい。大学生活の疲れ、ストレスとサヨナラして、新たな友と達成感を持って帰れます。絶対おススメです。

■おまけ


9月17日(金)の高知新聞朝刊に仁淀川町ふるさとインターンシップの記事が掲載されました。みんなで記事と写真映りをチェック!

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