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宇佐もん工房でのインターンシップを経て

日時  2月20日~23日
場所  土佐市宇佐
日程  こちらをご覧ください


宇佐もん工房

 今回のインターンシップで最も印象的だったのは、うるめいわしのブランドへの誇りであった。宇佐もん工房の方々や地域の方から「県外の人からすると、高知と言ったらカツオのイメージが強すぎる」「うるめを宇佐の地元民は漁師のおすそわけでもらう魚だと考えている」という話などを聞き、内外どちらからもイメージチェンジが必要であることを痛感した。
 しかし、宇佐をうるめいわしで有名な町にするためには、まず地元民からの根強い支持が重要だという考えに至った。やはり、旅行をしている時には、ネットやガイドブックで得る情報よりもその現地の人に直接聞いた話の方が実感が湧き、その話のネタにそそられるものだと思うからである。宇佐の方々皆がうるめいわしについて胸を張って話せる、そんな宇佐になったら、自然と旅行者や遠方に住んでいる人たちにもうるめいわしが広まっていくのではないかと思う。

 また、うるめいわしの水揚げから加工までのスピードもブランドへのこだわりを感じた点である。機械をあまり使わず、手作業が多い中、朝とれたての新鮮なうるめいわしを新鮮なうちに加工し終える技術を見て、「鮮度日本一を目指す」の意味を少しずつ私の中で理解していった気がする。
 実際にインターンシップ中に加工場で作業をさせてもらったが、加工場の皆さんの手際の良さに圧倒され、遅れをとらないよう、必死についていくのが精一杯だった。朝の水揚げでは、漁船からうるめいわしを引き上げ、宇佐もん工房まで運ぶために市場へ行ったが、天候や海況のため、日によって水揚げ量が変化し、インターンシップ最終日には、雨天により1匹もうるめいわしがとれなかったという現実を突き付けられた時、自然を相手とする仕事の難しさを思い知らされた。
 書籍やテレビのドキュメンタリーなどで、こういったような自然の厳しさは知っていたつもりになっていたが、今回のインターンシップを通じて、それを具体的に体得できたとともに、これまでの認識は甘かったなと思った。

 宇佐もん工房は、目の前に海や市場があり、新鮮な魚を使った加工場ということは、地元住民も観光で宇佐を訪れた人も誰だって、嫌でも理解できる絶好の立地であると思う。しかし、工房・工場と聞くと観光客も中々近づきにくいと考えてしまいがちになってしまう。
 そこで、宇佐もん工房が見える位置に、工房で加工した製品を売る店やうるめいわしを扱う食堂があれば、私自身が観光客で行くなら、興味深く、立ち寄ってみたいと考える。工房と店・食堂が隣り合っていれば、相乗効果にもつながると思うし、更に魅力的な場所になるのではないかと考えた。
 今回のインターンシップに参加して良かったと思うことは、それは宇佐で過ごした4日間丸ごとであるが、海に密接に関わる職に携わることができたり、海と密接な関わりを持つ方々と話ができたことである。
 これまでは大学の講座や実習などで森や林での作業が多く、森や林で働く方には色々と話を聞くことができていたが、海と密接な関わりを持つ方には話を行く機会があまりなかったので、前々から海、または海の近くでの仕事に興味があった。特にその中では、宇佐ならではの伝統漁業をベースにし、現代の技術を織り込んでいこうとする宇佐もん工房独自のやり方の話に感銘を受けた。

 宇佐もん工房でのインターンシップでは、ほぼ全ての経験が初めてのことばかりだったので、やり残したことをピックアップするのは難しいが、次にやってみたいことならある。次は実際に宇佐もん工房が契約している漁船に乗り、鮮度抜群のうるめいわしをとるための技を目の当たりにしてみたいと思う。
 最近は、日本で富士宮焼きそばや甲府のもつといったようなB級グルメが注目されているので、この波に乗り、うるめいわしにも宇佐の代表、高知県の代表として全国にどんどん発信していってほしい。
 私が日常生活の中で宇佐やうるめいわしのために出来ることは、ほとんど無いかもしれないが、大学の友人や教師に宇佐もん工房での体験や鮮度抜群のうるめいわしの秘訣などをどんどん伝えていこうと思う。それで1人でも多く宇佐のうるめいわしを知っている人を少しずつ増やしていければ良いなと考えている。

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