ふるさとインターシップ報告書


今回、私は9泊10日と短い期間ではあったのだが、一圓信明さんの元でお世話になった。


 インターン前は高知県について、全く知らずに飛び込み「農業体験をして、地域にいて感じた事を伝えればいいや」との程度の思いだった。しかしながら、初日の夜に一圓さん家のこたつを囲んで、一圓さんと、区長さん(船口さん)や鹿名地区の重役の方々(しんさん)が地域のお祭りに関して、怒り爆発するまで真剣にぶつかり語り合い、地域への熱い思いや夢を語る一圓さんを見て、「高知県の片隅に、こんなに先を見越して、夢を持って農業をする、しかも自己利益の追求だけじゃなくて、地域を考える素晴らしい方がいる。この10日間、全力でやろう」と焚き付けられました。とても鮮烈なスタートから始まったのをよく覚えています。

 そんな痛烈なスタートから、土佐ジローとぽんかん畑に囲まれた農場での日々を過ごす中で、一圓さんの暮らしに触れる中で、「なんて、楽しそうなんだろう」と日々思いました。「何故、朝からあんなにもハイテンションでいられるのであろう。」「どうやったらあんなに毎日楽しく過ごせるのであろう。」僕は、「生き方」の点で凄く大切な事を学ばせて頂きました。10日間過ごす中で一圓さんは「とても周りの人を大切にする人だなぁ」と感じました。無意識にしていると思うのですが、いつも相手の立場を考えて、行動して、そんな「他人への思いやり」を教えてくれました。また、一圓さんは「人を好きになろうとする努力」を凄くしているなと思いました。「意見が合わない。だから切る。」ではなく「相手が何故そうなってしまうのか考える。」そんなことを当たり前のようにしていました。

 東京にいて、そんな人は本当にごくわずかの絶滅危惧種のような存在であると思いました。「普通の人にはできないこと」を一圓さんは平気でやってのけていました。 一圓さんとの日々を通じて「人柄を好きになる」ってこうゆう事だな、と思いました。自分も一圓さんのように「楽しく、思いやり」のある人柄に惚れられるような人間になりたいです。

 名鹿地区に関しては、提言通りなので、今更書くことはあまりないのですが、「もったいない」と言うのが感想です。美しい景色、海山川の幸ありで、「観光化」するなら、すぐ出来ると思います。今後は地域の方とよそ者、が関われる仕組みが必要となると思います。例えば、一圓さん家ではなく、公民館に大学生を泊めて、10日間、地域の農家さん、漁師さんの所を回らせるなど、「外と触れ合い、徐々に開いてく」プロジェクトがあってもいいと思います。

 一圓さんと別れた後すぐに桂浜で日記を書いたので、それをそのまま載せます。 Facebookに載せてしまったけれど、一圓さんと出会い考えた事です。

これからの自分の指標になるであろう日記です。



「ふるさとの景色を未来へ残したい。」

そんな強い思いを持って、情熱を燃やす「志」を持った人達の元を3週間ひたすら渡り歩いた。

旅を進める中で、地域のリアルで解決し難い問題を目の当たりにした。
そして、大学生の自分に何が出来るのか考えた。

大学生の僕に何が出来るのだろう?
思ったことを素直に言える?
少しならアイデアを出せる?
外に目を開かせることができる?

頭の弱い、ノリだけの学生ごときの、
僕にはそれくらいしかできない。それすら出来てないと思うけど。

大学生は受け入れ地域の戦略的なビジョンの元、仕事は多岐に分類されるものの、その役割を多少なりに
果たすことができる。

けど、おそらく地域を変えることは出来ない。結局、変えるのは地域の人だから。

繰り返すが、地域問題は複雑で解決し難い。

一筋縄じゃいかないし、消滅しかけている地域を残すなんて、そもそも不可能かもしれない。

けど、それが悔しくて、見捨てられなくて、もどかしくて、諦めたくなくて、
将来の職として、その中に身を投じようとしている自分がいる。

今の自分に何ができるのだろう。

僕は学生だ。
学生は時間はある。金はない。発信能力が少しある。無茶できる。
そして、「利害関係がない、人付き合いができる。」

今の自分にできること。

それは「たくさんの地域を周ること」だ。

今、この国の農山漁村で何が起こっているのか目に焼き付けたい。
たくさんの所で失われる何かを。

そして、「ふるさとの景色を残そう」と努力する人達の情熱の行方を
できる限り、傍で見守ることではないだろうか。

無論、やれることはやりながら。

今、自分は、

地域活性とは、「生業のある風景を残すこと」であると思っている。

農業の「業」の部分を上手くやれば、農業でも食っていける。たくさんの農家さんがそれを証明している。

けど、それだと、「ふるさとの景色」は守れない。

ふるさとの景色を残すためには、1次産業としての地の強さだけでなく、地域内での教育、福祉の充実、地区単位での長期的戦略の有無やビジョンの共有、政策………色んなことが必要だ。

複雑だよ…。もっと勉強しないとな…。

単位は落とさず、
「地域」に少しでも何か落としていけるような人材になれるように
これからも、日々精進!

求められれば、その地域に行こう。そして、求めて行こう。


情報更新お知らせメール配信します!

プロジェクトの追加・WEBサイトの更新情報をメールにて随時お知らせしていきます!
ご希望の方はメールアドレスをご登録ください。

ご記入いただいた個人情報は、ふるさとインターンシップ以外の目的には使用いたしません。